
住友商事は、ベトナムのハノイ近郊にある**第2タンロン工業団地(TLIPⅡ)**について、神奈川県および(公財)神奈川産業振興センターと新たな協定を結びました。この協定により、神奈川県内の企業がベトナムに進出しやすくなり、地域産業の発展が期待されています。
ベトナムの経済成長と日本企業の進出
ベトナムは、安定した政治情勢と優れた労働力に加え、ノイバイ国際空港や新国道5号線などの交通インフラの整備が進んでいます。また、自由貿易協定(FTA)の影響で、輸出拠点としても注目されています。
経済成長も著しく、2016年の小売市場規模は2010年の約2倍となり、中間所得層の増加による消費市場の拡大が見込まれています。世界銀行の報告によると、2018年のベトナムのGDP成長率は6.4%で、今後も緩やかに成長する見通しです。
日本企業の進出も進んでおり、2017年時点で1637拠点がベトナムに展開。これは2007年の820拠点から約2倍に増えており、今後もさらなる拡大が予想されます。
神奈川県と住友商事の協力関係
神奈川県と住友商事は、2015年6月に**「神奈川インダストリアルパーク」**の設置協定を締結しました。これにより、神奈川県内の中小企業がTLIPⅡ内のレンタル工場を活用し、ベトナムに進出できるよう支援を行ってきました。
また、工業団地内には**「フンイエン省ジャパンデスク」を設置し、企業の投資申請や会社設立の迅速化、産業支援を行っています。さらに、神奈川県は2014年にベトナム計画投資省**と経済交流に関する覚書を交わしており、継続的にベトナムとの経済交流を進めています。
新たな協定の内容
今回の協定では、以下のような変更が行われました。
1. レンタル工場の拡大
• 「神奈川インダストリアルパーク」の対象面積を3.5ヘクタールから7.0ヘクタールに拡大。
• これにより、より多くの企業が進出可能に。
2. 企業支援の強化
• ベトナムに進出する神奈川県内の企業を対象に、以下の優遇措置を継続。
• 工業団地入居時の管理費を1年間免除
• ベトナムでの現地法人設立手続きにかかる費用の免除(翻訳費用等は除く)
これにより、神奈川県の中小企業がリスクを抑えて海外進出しやすくなることが期待されます。
第2タンロン工業団地(TLIPⅡ)の概要
• 所在地:ベトナム・フンイエン省(ハノイ中心部から南東33km)
• 運営会社:Thang Long Industrial Park II Corporation(住友商事グループ92%出資)
• 開発面積:346ヘクタール(第一期・第二期合計)
• 入居企業数:69社(うち日系企業67社)※2017年12月時点
• 設立:2006年11月
今後の展望
住友商事と神奈川県は、今回の協定を通じて、日系中小企業のさらなるベトナム進出を支援し、ベトナム経済の発展に貢献していきます。これは、地域産業の活性化や企業のグローバル化の促進にもつながります。
また、住友商事は持続可能な成長を目指し、「地域と産業の発展」「快適な生活基盤の構築」「多様なアクセスの確立」といった目標を掲げ、事業を展開していきます。

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